完全な日本語脚韻詩
日本語脚韻辞典というものを出版したいと思っているが、その例として、今まで書いたいくつかの日本語脚韻詩を提示しておこう。
語尾が全部「する」で終わるような詩ではなく、日本語なのに語尾が全部名詞で終わる詩でもなく、最後の一文字の母音だけが合っている詩のように、韻を踏んでいるのか踏んでいないのかわからなような詩でもない。
詩の語尾として来る可能性のある、動詞、形容詞、形容動詞(もちろんこれらの活用形も)、名詞、助詞など、日本語の詩として自然な単語が語尾に来ているし、最後の二音節以上で韻を踏むようにしているから、英米語圏の詩のように、はっきり韻を踏んでいると分かる詩になっている。
これらの詩には、私が「曖昧韻」と呼んでいる韻を使っている。曖昧韻とは例えば、
「 ・輝きこぼれる君 門出のあの時でも
・あまりにまぶしい光に逃げ出すあのデーモン 」
のように、語尾の「あの時でも」と「デーモン」とを韻を踏んでいるものと見なしている。
あるいは、
「・あなたの遺伝子はきらめいた太陽
・きれいなものをずっと産んでいたよ 」
のように、語尾の「太陽」と「たよ」とを韻を踏んでいるものと見なすような押韻を、「曖昧韻」と呼んでいる。
要するに「母音」や「ん」、「ー(伸ばす音)」などの弱い発音を、ないものとして考え、その前の一文字を押韻の構成字と見なすものである。また、「ん」と「う」は同じ音として扱っている(つまり例えば「無冠」と「向かう」では韻を踏んでいると解釈しているということ)。
日本文学が始まって以来1300年間、誰一人としてなし得なかった組織的、完璧な脚韻詩をご覧あれ。
「失くした涙」 (福島美咲アルバム"Blooms Beautifully"収録曲)
日暮れのライブラリー
言葉をなくすこの胸はゆらり
どこへと向かうのかな
揺りかごを押してる君は若菜
抱えた絆の強さを引き裂き
さだめは許さずその刃先
隠すこの涙消え去るまで
切ない気持ちは高まって
安らかに見せるこの思い深く
隠してさびれた情景を描く
飾りの気位守るため気づいた砦
ここに舞い降りて
涙捨てどれくらい?
楽しくなる気持ちまで患い
刻む時に戸惑う
知らないうちに失くした感動
いつかは奪い返せるのか涙
まわりの景色でかいま見た
懐かしい過去(きのう)からの通話
いつか来るの?そんな季節は
言葉もないままクールを装い
声を上げたいめぐり合わせ遠い
心の奥へと抑えずに吐き出し歩め
それが秘めたゆめ
解き放つ頃は鼓動真っ直ぐで
涙と喜び取り戻したくて
隠れて感動失った胸は冷たい
だから暖めたい
「深海」( 本田彩衣アルバム"ALL-TIME BEST SINGER"収録曲)
澄んだ水面さざめく
微熱秘めたそのメイク
不意の笑みにはにかみ
隠されてた深み
言葉を交わした季節が去り
絆にとどまるアクセサリー
その深みにむせび泣いた
澄み切る湖(うみ)を持つあなた
君が歩む通り道
いつも切ない日々に満ち
目には映ること厭う
澄みきる透明度
語りをつくした佳日がなお
胸騒ぎを駆り立てる素直
この鼓動はなぜはからう
二人といない君だから
言葉を交わした季節が去り
絆にとどまるアクセサリー
その深みにむせび泣いた
澄み切る湖(うみ)を持つあなた
語りをつくした佳日がなお
胸騒ぎを駆り立てる素直
この鼓動はなぜはからう
二人といない君だから
「秘密のパーティ」( 本田彩衣アルバム"ALL-TIME BEST SINGER"収録曲)
静かな息吹想いをはじく
僕はくちびる閉じた美しく
君のいつもの語りは真夏
すぐ誰彼なく解き放つ
今なぜ君は彼のずっとあとをたどり
でも砂漠の中でひとり
この隔たりは埋まらなくて辺りみな袋小路
くすみに満ちたものだけ生む人波は通り越し
僕と君落ち合うから求めてた絶縁体
ゆかりなきひとそのままにしておいて僕らは満たされたい
変わらず責めることなきゆかり
誰のせいと問いつめてるばかり
声をあげる言葉の体内
それは何も信じていない
「さあこの絆むすぶ」見せかける掟
でも最後には裏切って
なぜ分かりあえない宛名の姿もうマリオネット
「息吹を感じ取れるどうし慰めあおうね」と
輝きを持つあなたの毎日は宝探し
離れて過ごし暗いまわり照らしだしながら夜を明かし
このほどけない糸を隠す瞳との別れ話
今では分かりあえる人と物語を織りなし
きらめきを呼び起こしたたくさんのダイアローグ
僕らと君は手を取り合い限りもなく声価はとどろく
「脚光」 (未発表曲)
声はこころからのメール
君は深く魅力秘める
きれいなくちびるが真っ白息を吐く
あふれるものはそうまるで琥珀
輝きこぼれる君 門出のあの時でも
あまりにまぶしい光に逃げ出すあのデーモン
汚れのなき傷だけつぐなうつくろい草
誰もがあなたをもう今日の日から語り継ぐさ
雪がはばむ君の行く手
でもね迷うことはなくて
あなたの遺伝子はきらめいた太陽
きれいなものをずっと産んでいたよ
つぼみは咲くことなく見守るはがゆい時差
咲き出す季節に僕らが讃える輝かしさ
めぐみを手にする君 寝そべる白い真綿
欠かさず時計を見守り続ける日は終わった
偶然の出会いから隠れた息づかいは
きらめき秘めてる君の会話
胸から伝わる声 心のパステルカラー
きずなをつなげる刹那は大事な舞台だから
くちびる放てるもの僕らと君との接点
小さな鼓動に隠した貴石をぜひ聴かせて
多感な季節に湛えた息吹を今紐解き
健気な素肌が止まらず脚光受け取るとき
「微笑み」 (未発表曲)
呼吸を止めながら閉ざす口唇
自由な息吹今なら光を浴びる
うなづく顔は一筋に汗ばんで
告白したい今までと異なる言葉で
いままっすぐに見るメルクマール
そう笑顔もち立ち止まる
ふれあいがめあての家路に捧げて
この胸の吹雪とは通りすぎる間柄
何もかも見通すひとみ真剣で
戸惑いの鼓動にはミューズだけ内に秘めていたから
刹那ににぎわってるあの時の綺羅
そこではきっとまわり道だけ忌みきらう
思うにまかせない世界の中で
いらだつ色合いに向きあうことを誓って
その北風に手をさしのべて
ずっと受け止めたいさすべて
縛られた道から遠くに離れて
真っ白な視界見え滑り降りてくゲレンデ
解放に渇いた声はインフェルノ
抱きしめた手のひらの中何もかもがもう鎮まるの
全開に開いたドアは明るくて
縛りなく受け止める思いなお駆けめぐって
向けられた手にこの頬を差し伸べる
焼けついたその手から贈られた花はあのブルーベル
「運命の指揮者」 (未発表曲)
風は流れ美空は澄み渡る
晴れを祝うブライダル
誰もいま知らぬ顔
ぎゅっと抱いた背中を
言葉だけが抱いた君の秘めた胸の子らは
隠しきれぬ鼓動放つ彩華満ちた女童(めらわ)
僅かな使徒が抱える非難
ゆくりなく胸へと担う
日々に通り過ぎてた言葉満つ
誰しも抱えた秘密
思い出がゆさぶった
こころ巡るかさぶた
かけら一つ残すこともなくてここに鍵は
隠れながら気づかれずに形作る間際
めぐり合わせはいつも身勝手
その風は背中にやがて
言葉だけが抱いた君の秘めた胸の子らは
隠しきれぬ鼓動放つ彩華満ちた女童(めらわ)
僅かな使徒が抱える非難
ゆくりなく胸へと担う
「縦糸(たていと)」(未発表曲)
広がる景色を映し出すこのまぶた
寂しくただずむ気位をゆさぶった
モノクロに揺れる空気の色合い
いつもせめぎあい
映像君とわけあいながら
想いはいつでも輝く
よりそう時は名もなき宝
笑顔見る足取りはやく
はらりと窓打つレイン
照りかえす光りきれい
聞こえる言葉がただ語りつぐ未来
だけれど地上はひそむ理由(わけ)振り払い
わかりあうはずの憧れは砕け
迷うこの身だけ
映像君とわけあいながら
想いはいつでも輝く
よりそう時は名もなき宝
笑顔見る足取りはやく
過去を織り込む縦糸
絡みつくことをいとう